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クリスタルオワナイト[クリスタルの章]
[CRISTAL OR NITE]
序章 | ナイトの章 | クリスタルの章 |
クリスタルの章
[5.REBORN][6.MURDER OF STORM][7.CYCLE OF RING][8.MAN OF THE BRAVE]
<登場人物> | |
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アカサンド | 封印されたサタンの魔力を受け継ぐ少年。怒りが達すると両目が赤くなり羽のような魔気が出る。 |
ソシエン | ライラの子孫。クリスタル王国の37代プリンセス。 |
サタン | 神の1人。デオバの改革によりを天界を追放された。 |
ライラ | 神の王デオバの放った聖なる雷に打たれクリスタル王国の王女となる |
デオバ | 天界の王。独裁的とも言えるが根は悪いやつではない。容姿がピーターフォークに似てる。 |
[5.REBORN](サウンド) アカサンドが眠りについてからもう3日になる。ソシエンはひたすら彼の側で笛を奏で続けた。そのメロディは代々王室に伝わるメロディだった。そして戦争はついに地球最後の聖域クリスタル王国にまで近付いていた。 死の眠りについていたアカサンドはさまよい続けていた。不安、恐れ、裏切り、それらの化け物達が彼を永遠の眠りへと導こうとしていた。何度ももうダメだと思ったしかしその度に懐かしいメロディを耳にした。暗闇の中から淡い光りが彼に力を与えた。そして彼はハッキリと自分を知った。自分が今立っている場所を。 そしてソシエンの顔を思い出し自分を育ててくれた島の人達を思い出した。 そしてそのメロディの粒はずっと自分の側にいてくれた多くの愛だという事に気付いた。 アカサンドはゆっくりと目を開けた、そしてそこには微笑みかけてくれるソシエンの顔があった。 アカサンドは立ち上がり、湧き出る気を放出した。するとそこには完全体になったアカサンドの姿があった。 彼の背中からは黒い羽が現れた… |
単なる殺人マシーン化したサタン軍団の勢いは凄まじかった。さしもの神王デオバも後退をよぎなくされた。この破壊行為を止めるにはサタンの理性を取り戻すしかないと考えた。そしてサタンが失った2つのものを探した。そしてその2つのものが1人の少年の元にある事を知る。デオバは恐れた。サタン以上の魔力を持つものが誕生する…。 しかし少年に会ってみるとそんな不安は吹き飛んだ。驚く事に彼は、力となる魔と心となる聖を同じに兼ね備えていた。 そんな事が起こる事は神王にも信じられなかった。 人間はいつの間にか自分の手から離れていったのだと感じた。そして人間達を洗脳しコントロールする事をやめようと思った。もはや彼等には彼等の道があると。 そして少年に言った。「力で制してもサタンには勝てない。心を同化させるんだ。私には出来なかったが君には出来る」少年は黙って頷いた。 そして頼んだ。「サタンの心を取り戻してくれ。やつは純粋すぎるくらい純粋なんだ。その純粋さ故、多くの神達に利用され天界を追い出されるはめになった」 いつも冷静なデオバが最後には懇願した。サタンはデオバのたった1人の弟だった。 |
[6.MURDER OF STORM](サウンド) アカサンドは飛び立った。気の翼を使って。 サタンはクリスタル王国に入っていた。まるで何かを探すように動き回った。サタンのコピー達は王国では略奪、強姦、リンチ等、今までやって来た事はサタンにとめられていた。ただサタンの命により何かを探していた。そしてサタン達はクリスタル城の手前で止まった。彼等は微動だにせず、その城を見上げていた。 その時1羽の鳥が天空を舞った。そして巨大化してるサタンの足下に降り立った。完全体になったアカサンドの姿があった。 サタンは驚いた。そこにいるものからは自分の匂いと彼が探していたライラの匂いが感じられた。 「お前は誰だ!」サタンは低く響く声で言った。 「アカサンド!北の島ナイト島から来た!サタン、もう破壊行為は止めろ!」アカサンドはハッキリと空に向って答えた。 ぶん!サタンの拳がアカサンドに向った。「お前の力を頂くぞ!」 アカサンドはひらりとかわすと空に舞った。 「それが答えか…、行くぞ!」 サタンとアカサンドは始めのうちは互角の勝負をしていた。しかしだんだんとアカサンドが優勢になってきた。サタンの力の源はアカサンドが持っている。 サタンはただここクリスタル城に来たかったのかもしれない。ライラが眠ったこの地で自分も眠りたい。 サタンの作ったコピー達も次々と消え始めた。そしてアカサンドが最大の気を放った時サタンも消えて無くなった。 アカサンドの聖なる力が勝った。悪は滅びた。 |
[7.CYCLE OF RING](サウンド) 戦いが終わった翌日、人々は瓦礫の山をかたずけている。 その中にアカサンドとソシエンの姿も見える。アカサンドはみなから英雄扱いされていた。 太陽の優しいまなざしが全ての人の頬を包んでいる。人々は安らぎの中にいた。 誰かが言った。「この平和が続けば良いね…」人々は思い出した。つかの間の平和、そして戦争。いつでも何かに恨みを抱いたい心。戦争を知るものは戦争する。この悪循環。人々の中にあきらめが広がる。 その瞬間消えていたサタンの姿が少しずつ姿を現した。サタンは人々の心の闇の力を吸い集めて復活した。 アカサンドは人間と共存してる不死身のサタンに対して絶望感に覆われていた。 ドガッ!アカサンドは力なくサタンの一撃に倒れた。 サタンがとどめをさそうとアカサンドの前にやって来た時あのメロディがアカサンドの耳もとに聞こえてきた。 驚いたのはサタンの方だった。 「こ、これはこの曲は…」サタンは固まった。 驚いたサタンの前にアカサンドは今一度立ち上がった。 そしてメロディがなる方をみた。なんとこの曲を奏でていたのはソシエンではなく女占い師だった。 ソシエンも不思議そうな顔でその音色を見つめていた。 「あなたはいったい…」 女占い師はサタンが動けなくなる事を確認すると吹いていた笛をアカサンドに投げた。そしてサタンに向って叫んだ。 「サタン!思い出して!」 笛は剣の形に変わりアカサンドは全ての力を剣に込めた。 ドキュン!剣は光り輝きながらサタンの身体に吸い込まれていった。 アカサンドに貫かれた時、サタンは何か微笑んでいるように見えた。 この世に善も悪もなく、ただそういう現実があるだけだ。 |
[8.MAN OF THE BRAVE](サウンド) 今日はクリスタル王国にとってめでたい日だった。プリンセス、ソシエンの婚礼の日だった。夫となるのはサタンを倒した英雄アカサンド。まだ瓦礫が残る市街の中、国中の人々が2人を祝った。 2人は壊れたクリスタル城の礼拝堂で永遠の愛を誓いあった。そして市街パレードに出かけた。 いつの間にか神王デオバが半分になったクリスタル城の最上階からその光景を眺めていた。すると群集の中に意外な人物を見つけた。聖なる力で人間の姿に変わったサタンだった。サタンはもはや神ではなくなっていた。しかしデオバと共にいた頃の純粋な心を取り戻していた。 「弟よ、この地で平和に暮らせよ。大丈夫、お前にはパートナーがいるのだから…」デオバはそうつぶやき天界に消えた。彼は天界で山のような仕事をかたずけなければならなかった。 群集の歓声の中パレードが進む。みな大声をあげて歓喜の歌を歌っている。 「オーオーオオオ〜オーオーオオオ〜」 アカサンドは本能的にわかった。この中にサタンがいる。そして彼等はお互いに目があった。が互いに懐かしいような目をしながらすれ違った。 そしてサタンはパレードに背を向け、始めたばかりの煙草に火をつけようとした。 カチッ すると目の前に火を持ってきてくれる人が居た。 「あ、ありがとう…」 サタンは火をつけ、目の前の人の顔をのぞいた。 するとそこにはクリスタル王国の女占い師が立っていた。占い師は言った。 「ずっとこの日が来る事を望んでました」 そういうと顔を覆っていた布をとった。 [ラ、ライラ!ほんとにライラ!?」 そう女占い師の正体は初代女王ライラだった。 彼女は神の力を浴びているから不老不死だった。サタンが復活する事を願いクリスタル王国に留まって居た。 2人は手を取り合い歩いた。そして最後にもう一回パレードを続けている2人を振り返りお互い顔を見合わし、微笑んだ。 「2人に祝福を!そしてさあ、行こう僕らの明日へ」 人々は歓喜の歌を歌っている。 「オーオーオオオ〜オーオーオオオ〜」 |